基幹システムの更改では、老朽化を理由に刷新を相談した結果、ベンダーから8百万円、1千万円、あるいはそれ以上の見積もりが提示されることが珍しくありません。多くのスクラッチ開発は「人月」で積算されるため、既存の業務や仕様をそのまま再現しようとするほど要件が複雑化し、金額も比例して膨らみます。問題は、その”再現すべき業務”が本当に合理的なのかという点です。
多くの企業では、昔からの手順や紙の伝票様式、暗黙知のまま残る社内ルールが踏襲されており、「今のやり方でないと困る」「うちは特殊だから標準には合わせられない」という声が上がりがちです。しかし冷静に検証すると、その運用や環境を残しておく合理的な理由が存在しないケースも少なくありません。「なぜその運用なのか」「変えると何が起こるのか」「本当に変えられないのか」を問わないまま現状をそのまま再現する前提でシステムを作れば、当然コストは膨らんでしまいます。
業務フローや事務手順を標準化すると、属人性の排除や引き継ぎの容易化、教育コストの削減、内部統制の強化といったメリットがあり、最大の利点は市販の業務パッケージやSaaSをそのまま利用できることです。ある企業では、当初は自社のやり方に合わせることを前提に約1千万円の提案でしたが、運用手順の見直しや伝票様式の変更、社内ルールの簡素化を行った結果、市販パッケージを標準機能のまま導入できるようになり、最終的な投資額は当初の約3分の1、約3百万円で完結しました。
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