note4:「ITを入れたのに忙しくなる理由 ~ その原因はIT化のロードマップ不在 ~」


岩手県内の中小企業でもIT投資は確実に進んでおり、販売管理、在庫管理、原価管理、勤怠管理、生産管理などを自己資金や補助金を活用して個別に導入する企業が増えています。しかし現場では、「システムが新しくなったのに入力作業が増えた」「営業が事務処理に追われて顧客訪問に出かけられない」「工場で端末操作の時間が長くて生産が滞る」といった声がよく聞かれます。ITを入れたのに、むしろ忙しくなる。これは現場の操作教育の問題ではなく、導入の順番と設計思想の問題です。

多くの企業では、特定業務の不満や既存システムの保守期限をきっかけに、普段取引のあるITベンダーから提案を受け、業務ごとに個別最適でシステムを導入していきます。一つひとつは正しく見えても、そこに会社全体としての青写真がなく、モグラ叩きのようにその都度対応する形になりがちです。その結果、二重入力の発生、データ連携の欠如、入力負担の増加といった状況に陥りやすくなります。特に岩手では人手不足が常態化し、一人が複数業務を兼務してIT専任者もいない企業が大半のため、個別最適の積み重ねは管理を複雑化させ、現場を疲弊させてしまいます。

IT投資で最も重要なのは、ツール選定ではなく経営課題から逆算した展開順序です。受注拡大が課題なら営業プロセスの可視化から、原価悪化が課題なら工程整理と原価管理の設計から、人手不足が課題なら入力削減を最優先に、というように着手順を決める必要があります。経営課題の整理、業務構造の可視化、削減すべき入力の特定、優先順位付けというプロセスを踏めば、ITは経営の武器になります。こうしたロードマップを持つ企業は導入目的が明確で効果測定もでき、次の投資判断も合理的になりますが、持たない企業はツール中心・ベンダー主導・部分最適の積み重ねに陥りやすく、IT投資の失敗の多くは検討段階ですでに決まっているのです。

この続き・詳細版はnoteでも公開しています:https://note.com/abetakaki/n/n1efa743e44c2


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