ここ1〜2年で「生成AI」という言葉を目にする機会が一気に増え、岩手県内でも地方紙が独自サービスを始めるなど、活用の動きが少しずつ広がっている。それでも中小企業の経営者からは「AIって結局何ができるの?」「うちのような小さな会社でも使えるの?」という声が多く、「大手企業が使うもので、うちには関係ない」と線を引いてしまいがちである。しかし生成AIの本質は難しいシステムを作ることではなく、日常の仕事を少し楽にすることにあり、経理・総務・営業・企画などどんな職種でも助けになる可能性がある。
ChatGPTやGeminiのような無料で試せるツールを使えば、提案書や案内文の下書き作成、社内文書のテンプレート作成、会議の議事録や資料の要約、SNS投稿文の作成といったことができる。これらは売上を一気に伸ばすような派手な使い方ではないが、1回あたり5分・10分の積み重ねが、日々のじわじわとした時間の節約につながっていく。
ITを「難しいから」と全部ベンダーに任せきりにしてしまうと、自社の経営や戦略の中身まで他人任せになりかねない。生成AIも同様で、何のために使うのか、どんな成果を目指すのかを自分たちで持たないまま外部に委ねると、なんとなく使って終わりになってしまう。従来のITシステムが「決められたことを正確に処理する」のが得意だったのに対し、生成AIは「あいまいな指示にも対応できる」のが特徴であり、全員で使う業務システムというより、一人ひとりの「仕事の相棒」と捉えるのがよい。文書作成や要約、企画のアイデア出し、定型資料のひな形づくりといった裏方的なサポートを積み重ねるうちに、地味だが助かる場面が増えていく。
現段階の生成AIはあくまで人の判断や確認を前提とした補助ツールであり、人が不要になるのではなく、人にしかできない仕事に集中できるようになるという見方もできる。インターネットやクラウドサービスも最初は様子見の企業が多かったように、大切なのは早さよりも自社のテンポに合った導入であり、何から始めればよいか迷う場合はITアドバイザーなどに相談しながら、まずは少しだけ試してみることが最初の一歩になる。
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