数年前、業務自動化の切り札として注目された「RPA」だが、岩手の中小企業にはほとんど普及しなかった。金融や製造業などでは導入事例が相次いだ一方、地元では一部の地場大手企業にとどまり、最近では「生成AI」が話題の中心になったこともあって、耳にする機会自体が減っている。
普及しなかった理由としてまず挙げられるのは、システム画面の変更やイレギュラーなデータで止まるたびに人が手直しする「管理の手間」、そして中小企業の感覚からすると決して安くはない導入・利用コストである。加えて、システム同士が最初から連携するのが当たり前になったことで、両者をつなぐ「一時的な代用品」だったRPAの役割そのものが、より根本的なシステムの進化によって薄れていったという面もある。
しかし、最大の理由は「業務のやり方を変えられなかった」ことにある。RPAで自動化するには、業務の手順が整理されシンプルになっている必要があるが、実際には「自動で登録した後も上司のハンコが必要」「システムに入れた後に手書き台帳にも記録する」といった、担当者ごとにばらついた慣習が残ったままでは、どれだけ優れたロボットでも対応できない。
これはRPAに限った話ではなく、DX推進やAI活用でも同じ構図が繰り返される。掛け声だけで進まない最大の原因は、「誰が、何を、どんな手順でやっているか」という業務の実態が見えていないことにある。RPAの役割はAIへと引き継がれつつあるが、業務の「見える化」と「標準化」という土台づくりの重要性はむしろ増しており、そこにこそIT導入アドバイザーのような外部の視点が役立つ。
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