岩手県内でも多くの中小企業経営者が「ITを経営に有効活用したい」「DXに取り組みたい」と考え、投資計画やシステム導入検討の動きは確実に増えています。しかし、その思いが具体的な成果として結実しているケースは決して多くありません。よく聞かれる理由は「予算が限られている」「ITに詳しい人材がいない」「投資効果が見えない」の3つですが、これだけが本質ではないと考えています。
IT投資に限らず、まず明確にすべきなのは「今、自社の何が問題なのか」「その問題を解決するためにどの課題に対処すべきか」「どの程度の予算や人材が必要か」「何がどう変われば成功と言えるのか」です。これらが整理されて、はじめて投資対効果が見えてきます。曖昧なまま「DXをやらなければならない」と進めてしまうと、効果が不明確なままコストだけが先行することになります。
そこでまず確認すべきは、自社のIT資産の実態です。どの業務にどのソフトウェアを使い、どのハードウェア上で動いているか。契約しているクラウドサービスやライセンス数は実態と合っているか。月々の総コストはいくらか。さらに、同じ情報を何度も登録していないか、繁忙期でもないのに残業が発生していないかといった現場の実態も一つひとつ可視化すること。これがIT活用やDX推進の「一丁目一番地」です。
実際に調査すると、何に使っているか分からないツールの契約が続いていたり、社員数より多いライセンス費用を支払っていたり、似た機能のサービスを複数契約していたりするケースは珍しくありません。IT資産を整理するだけで、コスト削減と業務効率化の余地が明確になることも多くあります。ただし、こうした棚卸しや現場ヒアリングを自社だけで完結させるのは容易ではなく、第三者の立場で現状調査や課題の整理、優先順位付けを行うのがITアドバイザーの役割だと考えています。
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