note27は春に桜が咲いたときの様子を報告しただけなので飛ばして、note28です。
岩手は、もともと地場のITベンダーが少なく、中小・小規模事業者が自らIT化やAI活用の検討を行うケースはあまり多くない。何かしら検討が始まるきっかけとして最も多いのは、付き合いのあるITベンダーからの持ち込み提案や飛び込み営業、展示会やセミナーへの参加後のフォローなど、「自社の課題から出発した導入」ではなく「提案を受けて気づいたら導入していた」という流れである。IT化の必要性をなんとなく感じ、同業他社に遅れを取りたくないという気持ちが積み重なったところにタイミングよく提案が来て、「とりあえずやってみよう」となるケースが実際には多い。
問題は、そこから提案を検証したり他社の製品・サービスと比較したり複数のベンダーから見積もりを取ったりするプロセスがほとんど行われず、「やるか、やらないか」という0か1かの判断になってしまうことである。岩手県内で中小・小規模事業者向けに丁寧な提案活動を行うITベンダーは多くなく、比較的少額になりがちな案件に時間と手間をかけることが構造的に難しい事情がある一方、事業者側にもベンダーと対等にやり取りできる人材や自社のIT導入計画を持つ余裕がないという事情が重なり、1社の提案をそのまま採否だけで判断する状況が生まれ、ミスマッチな導入につながってしまう。
こうした「その場しのぎのIT導入」が積み重なると、システム同士がうまく連携しない、データを二重入力しなければならない、誰も使いこなせていないといった声が現場から聞かれるようになり、本来経営の重要なツールであるはずのITが、場当たり的な導入によってチグハグに積み上がっていく。これは岩手に限らず、全国の多くの中小・小規模事業者に共通する構造的な課題であり、土台がガタついたままでは「DX」と言われてもうまくいくはずがない。この状況を変えるには、ITベンダー側に変化を求めるより、事業者側がIT化・デジタル化の考え方を身につけ、ベンダーとの対話や交渉のしかたを知り、社内に基本的な判断ができる人材を育てるなど、主体的に取り組む意思と体制を持つことが本質的な解決策になる。
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